【4月5日放送】
2017年12月26日。デザイン会社オリビアラボに勤める南さやか(中村アン)は、ひっつめ髪にすっぴんメガネと地味な風貌で、テキパキと事務仕事をこなす。だがデザイナーとしては、30歳目前にしていまだにアシスタントと崖っぷちの状況。
その頃、事務所では、20~30代向け時計商品の「2018年夏デザイン」の広告を考えることになっており、「時計にまつわる物語を作りましょう。あなた達の恋愛観で企画書まとめて」と泉智子(ふせえり)社長が、さやかたち女性スタッフに命じた。「え!?恋愛観??私もですか?」とさやか。「そう。自分の恋愛観で書けばいいだけよ。簡単でしょ?」と泉。さやかは、慌ててタブレットで「アラサー」「女子」「恋愛観」で検索し始め……。
「お願い友美!助けて!」と、さやかは、同居する宇野友美(佐津川愛美)に泣きついた。「あたしの恋愛観聞いてどうすんの!いいじゃん。30歳処女の恋愛観、赤裸々に語っちゃいなよ」と友美。「まだ29だし」とさやか。さやかは、ある人を思い続けて15年、操を守り通して気付けば30歳の処女だった。
「いい加減区切り付けたら?」「だってしょうがないじゃん。亮ちゃんは私のこと、幼馴染としか見てないし」「じゃ。30になる前に告ってこい!」と友美は、さやかの15年来の想い人・幼馴染の鷺沢亮介(大谷亮平)に電話をさせる。
「……もしもし、亮ちゃん?今から会えないかな……」とさやか。
そして居酒屋で落ち合うさやかと亮介。その亮介はさやかと同郷の幼馴染だが、今や有名デザイナーで、地元の誇りでもあった。さやかにとっても、そんな亮介が誇らしい。「ここの飯は美味いんだ。きっとおまえも気に入ると思って」と、亮介とさやかは楽しい時間を過ごす。
亮介は、近頃仕事が忙しすぎて、「彼女とうまくいっていない」とこぼす。その言葉に少し希望を抱くさやか。そして鷲沢は
「おまえ、明後日、何してる?二人でどっか行くか。30歳の誕生日だろ?何かプレゼントしてやるよ」と言う。
さやかは「うん…楽しみにしてる!」と、その誕生日の日に鷲沢へ告白する事を決心する。
マンションに戻ったさやかは、友美からも「キタね!告白のチャンス!」と励まされ、「やっと告白できる…」と心高ぶりながら、眠りにつくが……。
翌朝。気づけば、さやかはきちんとメイクをし、フワリとした巻き髪にコンタクトと、以前とは違う女子力の高い容姿に変わっていた。
「え?」
とそんな自分の姿に驚くさやか。しかもそこは見慣れない部屋だった。そのとき、「さやか?」と声をかけられて振り返ると、見知らぬ男・町田翔平(古川雄輝)が立っていた。「え?ここどこ?」「俺の家じゃん。俺もう先に行くから」と町田は出ていった。
訳のわからないうちに、さやかは会社に向かう。すると、何か様子がおかしい。出社したさやかを「リア充」扱いする社員たち。
「リア充?私が」
とさやか。さやかは、自分がインスタグラムをやっていることに気付く。メイク、ファッション、ヨガ、筋トレといった別人のようなさやかの日常が投稿されている。また、これから手を付けるはずの時計の「夏デザイン」の広告冊子もすでに完成していた。
そのうえ、先ほど家で見かけた男・町田も社員として会社にいて……。「どうなってるの?」と、混乱してパソコンに目を向けると、今日のメールの日付が2018年4月5日となっていて、最後の記憶から3ヶ月が経過している事をさやかは知る。
さやかは病院へ行き、「記憶障害」と診断された。「一時的なものだと思うので様子をみましょう」と医師から言われる。さやかが覚えている最後の記憶は、亮介と誕生日に会う約束をしたことだった。「終わっちゃったんだ、誕生日」と凹むさやか。
その折、さやかは町田と出くわす。「どういうつもり。さっきから訳の分からないリアクションをして」と町田が言うと、「記憶をなくしちゃったみたいで。私、なんであなたの家にいたの?」とさやか。町田は「付き合って同棲していたからですよ」と言い、なおかつ肉体関係もあったと言う。「そんなわけないでしょ」と驚くさやか。町田はイラつき
「何なんです?あなたはもう処女ではないですし、初めての相手はこの俺です。ついでに言うと俺たちもう別れてるんで。荷物がまとまったら早いとこ出てって下さいね」と去っていく。
訳のわからないさやかが前に住んでいた家に行ってみると、そこでは妊婦となった友美が新婚生活を送っていた。「ホントに覚えてないの?」と友美はさやかの記憶喪失に驚く。友美が言うには、
「私の結婚が決まったのを機に、あれだけ亮ちゃん亮ちゃんって言ってたさやかが、年下の町田君とデキちゃって」
と、さやかは町田の家に住むと言って、同居していた部屋を友美に譲り出ていったのだった。
さやかは、友美の元を去り、「まさか、家まで失ってたなんて……」と呆然とバスに乗る。思い出されるのは亮介のことばかりで……。
さやかはバスを降り、亮介のマンションに駆けていった。「亮ちゃん!私!さやか!」と叫ぶと、出てきたのは、青山瑞希(片瀬那奈)だった。瑞希は、鷲沢にプロポーズされ一緒に住んでいた。それを知り、さやかは亮介のマンションを後にする。「結婚しちゃうんだ。亮ちゃん……」と泣きだすさやか。
さやかが公園で泣いていると、町田が来る。「なんの用ですか?」と言うさやかに、「一人にさせられないと思って。俺たち一応、付き合ってたわけだし」と町田。「でも私、あなたのことなんて知らないし。覚えているのは亮ちゃんのことをずっと好きだったけど、15年間、何もできなかったということだけ」。だがその時、ほんの一瞬、町田との思い出がフラッシュバックする。
「え!?」と驚くさやかは、「私……変わりたい。無くした記憶を取り戻したい」と言う。「いいんじゃないの。それで」と町田に導かれ、さやかと町田の奇妙な同棲生活が始まることになるのだった……
出典:http://www.ytv.co.jp/lovererun/story/